This content originally appeared on Twilio Blog and was authored by Sean Coleman
この記事はSean Colemanがこちらで公開した記事(英語)を日本語化したものです。
Twilio VideoのVideo Insights機能が正式リリースされたことをご案内いたします。
ビデオ通話の使用状況、品質、性能を可視化することは、優れた顧客体験の構築に欠かせません。エンドユーザーのネットワーク、ソフトウェア、デバイスの状態などの可変要素は、ユーザー体験やセッション品質に大きな影響を与える可能性があります。様々な条件下で問題なく動作するようにアプリケーションを設定することは容易ではありません。例えばエンドユーザー側に問題があり、エンドユーザーの自助努力が必要な場合もあります。あるいは、アプリケーションの変更や最適化が必要な場合もあります。ビデオアプリケーション提供側は、問題がどこにあるかにかかわらず、データとツールを容易に利用できるようにしておき、トラブルシュート、課題の傾向の発見、最適化がうまくいっているのかの測定ができるようにしておく必要があります。
お客様企業の成功こそが、Twilioの成功です。そのため、Group、P2P、WebRTC Goの各ルーム種別をご利用の開発者の皆さまに、Video Insights機能を追加費用なしですぐにご利用いただけるようになりました。
本記事では、お客様企業がVideo Insightsをどのように活用しているかについて、例を幾つかご紹介し、パブリックベータ版の発表以来実施してきた改善点についても説明いたします。
まず概要を把握したい場合、いつでもTwilioコンソールでVideo Insights機能をご確認ください。
お客様企業によるVideo Insightsの活用方法
2021年10月に年次SIGNALカンファレンスでVideo Insightsを発表して以来、お客様企業にはプラットフォーム視点から俯瞰できる機能に加えて、Room Summary(ルームサマリー)やParticipant Summary(参加者サマリー)に焦点を置いたトラブルシュート機能の観点からもVideo Insightsダッシュボードをご利用いただいています。
例えば、開業医向けのプラットフォームを提供するSimplePractice社は、ビデオ品質に問題のある参加者をVideo Insightsによりいち早く特定し、問題の原因を突き止め、積極的な支援を提供して開業医や患者のビデオ体験を改善しています。製品テクニカルスペシャリストのリーダーであるBrennan Fahselt氏のコメントを紹介いたします。
「Video Insightsは、トラブルシュートのツールとして大変優れており、最終的には、ユーザーがより効率的に遠隔医療体験を改善するために必要なデータを提供してくれます。Video Insightsは、特にビデオ品質問題の調査に役立ちます。健全で安定した接続を特定するためにTwilioが提供するしきい値データを活用することで、接続性や全体的な体験を改善するために正確な調整を行うことが可能になります。よって、プラットフォームの問題の原因を迅速に特定し、お客様を支援することが容易になるのです。」
インターバルごとの指標としきい値の詳細については、ドキュメントのParticipant Summary(参加者サマリー)のセクションをご確認ください。
Room Summary(ルームサマリー)やParticipant Summary(参加者サマリー)に焦点を置いたトラブルシュートの他に、お客様企業がVideo Insightsダッシュボードのプラットフォーム視点から俯瞰できる機能をどのように活用しているかについて、例を幾つか紹介いたします。
- 前週比の伸び率と曜日・時間帯別の利用パターンを評価する
- Detected Issues(検出された問題)のタグが付けられたルームと参加者の割合をベースに、品質最適化がうまくいっているのかを測定する
- ソフトウェアやデバイス視点からの参加者の共通設定をベースとした、テストとエンジニアリングの取り組みの優先順位付け、また、最も品質問題の多いエンドユーザーセッティングの特定
多くのお客様企業と協力することでVideo Insightsツールキットを継続的に改良し、お客様企業の分析、監視、トラブルシュートのニーズをさらに解決していくことにコミットしたいと考えています。
Video Insightsの新機能
パブリックベータ版の開始以来、Twilioでは、表示すべきデータや求められているユーザー体験といったお客様企業からのフィードバックに真摯に取り組んできました。これには、Insightsダッシュボードのsignaling_region
とend_reason
で参加者をセグメント化する機能の追加、ルームのデータ処理にかかる平均時間を25%短縮、必要な場所にパーセンテージを表示するなどの改善が含まれます。
こうした品質向上に加え、ビデオアプリケーションの使用状況と品質に関する新たなインサイトを得ることができるよう、フィルタ体験を刷新しました。
全面的に刷新したフィルタ体験の導入
ビデオ体験を構築する業界やユースケースにより、インサイトデータのクエリや探索の方法が異なる場合があります。そのため、柔軟性を第一に考えてRoomsページを再設計しました。以下は、新しいRoomsページのスクリーンショットです。
本記事では、新しいフィールドや機能のすべてについては説明しません。詳細は、ドキュメントのRoomsセクションを参照してください。ただ、何ができるかを把握いただくため、試しにクエリを幾つか実行してみましょう。
参加者の行動に関する利用パターンを見つける
例えば、家庭教師や遠隔健康診断のような1対1のビデオサービスを構築した際に、数人のユーザーから、ビデオ通話に参加したが相手が不在だったという報告があったとします。こうした事象がどの程度の頻度で起きるのか疑問に思われると思います。それでは、Video Insightsを利用して調べてみましょう。
前項のスクリーンショットでは、表の左側に [Add columns](列の追加)というセクションが新たに追加されており、興味に応じてデータ列を追加したり削除したりすることができます。今回は、いくつかのフィールドのみ必要となるため、列を更新して、[# of Participants](参加者数)、[Max concurrent participants](最大同時参加者数)、[Unique identities](固有参加者ID)を追加します。
次に、[Max concurrent participants](最大同時参加者数)列を使用します。これは、通話中の任意の時間に存在した参加者の最大数を表し、1対1の会話という状態まで至らなかったルームを見つけるフィルタ処理を可能とします。下記は、最大同時参加者数が1人のルームを見つけるためのフィルタ条件を追加する方法を示しています。
これで任意の時間に最大の参加者が1人だったルームすべてを取得するクエリができました。表示されたルーム一覧を確認すると、いくつかのルームでは最大同時参加者は1人ですが、実際にはルームに関連付けられた固有参加者IDは2つありました。以下に、そのようなルームの例を示します。
では、これらルームで何が起きていたのでしょうか。このアプリケーションでは、アプリケーションが定義した参加者のuniqueIdentity
を、彼らが参加するすべてのルームで使用するUIDにより割り当てています。つまり、2つの固有IDから、いくつかのルームでは、約束の場所に現れない「No Show(連絡もないまま最後まで現れない)」ではなく、エンドユーザーはいずれも参加したものの、2人は同時にビデオセッションへ参加していなかったことが分かります。
このような利用パターンだったセッションを見つけるために、複数の固有参加者IDを持つルーム用に別のフィルタ条件を追加することができます。すぐに確認してみましょう。
これで、「複数のエンドユーザーが参加していたが、同時にはセッションに参加していなかったルームの数は?」という疑問に答えるクエリができました。逆に、「いずれかの参加者が現れなかったルーム数は?」の疑問に答えるには、上記のフィルタ条件を「固有参加者ID=1」へと微調整すればよいのです。
こうした利用パターンの頻度に応じて、ビデオセッションのリマインダーを送信したり、片側が通話に参加したときに通知を送信するなど、ユーザー体験の改善内容をテスト導入することもできるでしょう。さらに、このクエリのURLをブックマークしておけば、定期的に再チェックして、そのテスト導入がうまくいっているかについて確認できます。
カスタムのルーム命名規則に基づいてデータをフィルタリングする
次にご紹介するのは、アプリケーションで定義されたルーム名に対してcontains
演算子を使用するクエリです。お客様からのフィードバックで最も多かったのは、顧客別やビデオ通話が行われた拠点別など、ルームの「グループ化」に基づいてインサイトデータをフィルタする機能が欲しいというものでした。そこで、InsightsダッシュボードとRoomsページでは、ルーム命名規則に基づいてデータをフィルタできるよう、contains演算子がサポートされるようになりました。
たとえば、仮想フィットネスクラスを提供するアプリケーションがあり、あるトップインストラクターのクラスの質が最近あまり良くないという報告をユーザーから受けたとします。ここではinstructor/{instructor.id}/room/{room.uuid}
という規則でルーム名を付け、名前が挙げられている講師のinstructor.id
を123
とします。Insightsダッシュボードのcontains演算子により、このインストラクターが指導したすべての仮想フィットネスクラスの利用状況と品質の統計指標を評価できるようになりました。以下のスクリーンショットは、その方法を示しています。
これらは、新たな体験を紹介するためのほんの一例です。新たなフィルタ機能により、ビデオアプリケーションについて何を発見できるのか、幾つものバリエーションがあると思います。
Video Insightsを今すぐ試してみる
TwilioコンソールのVideo Insights機能を活用して、ビデオアプリケーションの性能について調査を始めてみてください。
Twilio Videoの他のツールも併用いただけます
Video Insightsの他にも、開発者やサポートチームがビデオアプリケーションを最適化し、ユーザー体験やセッション品質を向上させるのに役立つツールを提供しています。以下に幾つか例を挙げます。
- JavaScript Roomモニター - Roomオブジェクトから寄せられるリアルタイムの情報と統計指標を表示するブラウザベースのツールです。開発のあらゆる段階でツールとして使用することができ、また進行中のRoomsのデバッグに使用することも可能です。
- Video診断アプリケーション - エンドユーザーのデバイス、ソフトウェア、ネットワークの状態に関する問題を診断する、オープンソースのReactJSアプリケーションです。このアプリケーションはTwilioのRTC診断SDKとPre-flight APIを使用して構築されており、カスタマイズして単体アプリケーションとして使う、あるいはお客様企業の開発するアプリケーションへ組み込むといった利用形態が考えられます。
Twilio Videoツールキットの詳細については、ドキュメントのInsights、Troubleshooting、Diagnosticsセクションをご確認ください。
コミュニケーションの未来を構築しましょう!
This content originally appeared on Twilio Blog and was authored by Sean Coleman
Sean Coleman | Sciencx (2022-05-10T13:50:54+00:00) Twilio VideoのInsights機能でビデオセッションのPDCAを高速回転!. Retrieved from https://www.scien.cx/2022/05/10/twilio-video%e3%81%aeinsights%e6%a9%9f%e8%83%bd%e3%81%a7%e3%83%93%e3%83%87%e3%82%aa%e3%82%bb%e3%83%83%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%b3%e3%81%aepdca%e3%82%92%e9%ab%98%e9%80%9f%e5%9b%9e%e8%bb%a2/
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